Q 法定相続分通りにしなくてはいけないのですか 


A. 
1 相続分
(1) 相続分
 共同相続人の相続財産全体に対する分け前の限度をいう。
 普通はその割合をいうが、数額を指すこともある。
 
 例えば、妻と2子が相続人であるとき、法定の「相続分」は妻2分の1,子は各4分の1となり、遺産総額が1200万円であれば、妻の「相続分」は600万円、子の「相続分」は各300万円であるという。
 いずれの場合も、相続財産の中のあの土地この家屋というような具体的財産ではなく、相続財産全体に対する持分である。相続分は、まず被相続人の指定(指定相続分)により、指定がない場合は民法の規定(法定相続分)によって定まる。

(2) 指定相続分
 被相続人は、遺言で、共同相続人の各相続分を指定し、又は第三者に委託して指定させることができる〔民902〕。
 数人の共同相続人のうち一部の者の相続分だけを指定することもでき、この場合は、指定を受けない相続人の相続分は法定相続分による。
 被相続人又は第三者は、遺留分に関する規定に違反する指定をすることはできない。
 例えば、妻と2子が相続人であるとき、妻の相続分が4分の1、子のいずれかの相続分が8分の1を下回るような相続分の指定は許されない(民法第1028条第2項)。

(3)法定相続分 
 相続分の指定がないときは、民法の規定(民法第900条・民法第901条)で相続分が定まる。
@ 配偶者と子が相続人であるときは,配偶者の相続分は2分の1、子の相続分は2分の1。
A 配偶者と直系尊属が相続人であるときは、配偶者の相続分は3分の2、直系尊属の相続分は3分の1。
B 配偶者と兄弟姉妹が相続人であるときは、配偶者の相続分は4分の3、兄弟姉妹の相続分は4分の1である。子,直系尊属又は兄弟姉妹が数人あるときは,上記の相続分を各人で均分することになる。

 例えば,妻と3子が相続人であるとき,子各1人の相続分は2分の1の3分の1、すなわち6分の1となる。嫡出でない子は嫡出子の2分の1、父母の一方だけを共にする兄弟姉妹は父母の双方を共にする兄弟姉妹の2分の1の割合となる。なお,代襲相続人が数人あるときは,被代襲者の相続分について上記の標準に従う。

(4) 特別受益者の相続分 
 婚姻・養子縁組や独り立ちの際に被相続人から贈与を受けた相続人(特別受益者)がある場合には,相続開始の時の財産にその贈与の価額を加えたものを相続財産とみなし,それを基礎として算出した相続分から,受益額を控除した残額が,その特別受益者の相続分となる(民法第903条)。

(5) 寄与分 
 被相続人の事業を手伝ったり、その療養看護をしたりして、被相続人の財産の維持・増加について特別の寄与をした相続人がある場合には、その寄与分を除いたものを相続財産とみなし、それを基礎として算出した相続分に寄与分を加えた額が、その者の相続分となる(民法第904条の2)。                  」




  上記は、相続人間で相続分につき、合意がない場合ですので、相続人間で相続分につき合意がある場合には、その合意した相続分で行いことができます。

【参考文献】
新法律学辞典 第三版 有斐閣
新版注釈民法(25)相続(3)補訂版 中川善之助・加藤永一編集 有斐閣 平成16年  

(民法・判例)

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