Q 遺留分減殺請求権は、放棄できますか? 


A. はい、遺留分減殺請求権は、放棄できます

 遺留分権利者は,相続が開始する前に,遺留分を放棄することができます。
 しかし,無制限にこれを許すと,被相続人が遺留分権利者を強制して遺留分を放棄させるおそれがあるので,遺留分の放棄には家庭裁判所の許可が必要です(民法第1043条)。

 
 遺留分の事前放棄の許可申立事件は、甲類審判事件として処理されます(家事審判法第9条第1項甲第39号)。

 この申立は、遺留分を有する第一順位の相続人よりこれをすることができる。申立人は、被相続人を特定し、放棄が遺留分全部の放棄でないときは、放棄の範囲を明確にしなければなりません。

 この事件の管轄は、原則として被相続人の住所地の家庭裁判所の管轄に属します(家事審判法規則第99条前段・第4号)。

 遺留分の事前放棄の許可の審判の結果、申立にかかる遺留分の事前放棄が、
@制度の趣旨(東京家庭裁判所昭和35年10月4日審判・家庭裁判所月報13巻1号149頁)及び
A放棄の動機(申立人の自由な意思に基づくものかどうか:大阪家庭裁判所昭和46年7月31日審判・家庭裁判所月報24巻11号68頁、B和歌山家庭裁判所昭和60年11月14日審判・家庭裁判所月報38巻5号86頁、
和歌山家庭裁判所昭和63年10月7日審判・家庭裁判所月報41巻2号155頁、
C放棄に代償が伴うときは代償の相当性:神戸家庭裁判所昭和40年10月26日審判・家庭裁判所月報18巻4号112頁)
Dその他の事情
 からみて公平かつ合理的であり、これを許可することが相当であると認められるときには、遺留分の事前放棄の許可の審判がされます。


【参考文献】新法律学辞典 第三版 有斐閣

(民法・判例)

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