Q. 寄与分とはどのようなものですか?


A. 寄与分とは、 共同相続人中に、被相続人の事業に関する労務の提供又は財産上の給付、被相続人の療養看護その他の方法により被相続人の財産の維持又は増加につき特別の寄与をした者があるときの、その特別の寄与をした者の寄与額をいいいます。
 民法では、これを相続分に加算することとしています(民法第904条の2)。

 具体的には、
「@被相続人たる夫とともに長年にわたり農業ないし養豚業を営んできた妻(神戸家庭裁判所尼崎支部昭和38年8月22日審判・家庭裁判所月報16巻1号129頁、前橋家庭裁判所高崎支部昭和61年7月14日審判・家庭裁判所月報38巻12号84頁)
A被相続人である夫によって自己所有の建物を店舗に提供し小売商を経営したが、その夫は時折販売にあたる程度で、主たる立場で挙げた営業収益とその恩給で生計をたてた妻(神戸家庭裁判所姫路支部昭和46年2月12日審判・家庭裁判所月報23巻12号98頁)
B被相続人たる父親と一緒に小学4年頃から農業経営に従った長男(高松家庭裁判所丸亀支部昭和37年10月31日審判・家庭裁判所月報15巻5号85頁)。
C被相続人たる父親の経営する家業の漬物製造販売業で、販売、仕入れを担当した父親を助けて、妻とともに12年間以上にわたり労力を要する仕事を行った長男(大阪神戸家庭裁判所昭和40年9月27日審判・家庭裁判所月報18巻4号98頁)。
D被相続人の所有する土地の抵当権実行を免れるため当時の金銭で100円を被相続人給付し、被相続人の遺産の維持に寄与した子被相続人の夫もサラリーマン、妻もとも働きで、夫の収入と妻の収入で購入した財産を夫名義にした場合に、妻が相続財産の形成に寄与したと認める(大阪家庭裁判所昭和40年3月23日審判・家庭裁判所月報17巻4号64頁、福岡家庭裁判所昭和46年4月27日審判・家庭裁判所月報24巻12号52頁)。
E被相続人である夫とともに、妻も中学教論であったが、夫との協議で夫名義で昭和51年に宅地、居宅を購入したが、妻の提供分相当の寄与分として82.3%を認める(和歌山家庭裁判所昭和59年1月25日審判・家庭裁判所月報37巻1号134頁)。
F被相続人に居住する家屋、宅地以外には資産も所得もなく、それらを売却すれば扶養を受けなくても済むが、相続人の1人から生活費を貰っていたという場合(大阪家庭裁判所昭和61年1月30日審判・家庭裁判所月報38巻6号28頁)。」(谷口知平・久貴忠彦編集 新版注釈民法(27)相続(2)259頁 有斐閣 2002年)がある。

 寄与分は、まず、共同相続人の間で協議される。その協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所は、寄与をした者の請求により、寄与の時期、方法及び程度、相続財産の額その他一切の事情を考慮して、寄与分を定める。(民法第904条の2第2項)。

 この寄与分の上限は、被相続人が相続開始の時において有した財産の価額から遺贈の価額を控除した額を超えることができない(民法第904条の2第3項)。

 
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