Q.遺産分割協議ができなかったらどうなりますか?


A.
 
遺産の分割については、民法は、遺産に属する物又は権利の種類及び性質、各相続人の年齢、職業、心身の状況及び生活の状況その他一切の事情を考慮してこれをし(民法第906条)、何時でも、その協議で、遺産の分割をすることができるとしています(民法第907条第1項)。

 相続人が数人あるときは、相続財産は、その共有に属します(民法第898条)。そして、各共同相続人は、その相続分に応じて被相続人の権利義務を承継します(民法第898条)。
 したがって、遺産分割協議が相続人間でされようが、遺産分割協議が相続人間でされなくても、法的には誰も何も影響がされません。

 遺産分割については、民法は、共同相続人間に協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、各共同相続人は、その分割を家庭裁判所に請求するとこができ(民法第907条)、家庭裁判所においては、家庭裁判所の調停委員による家事調停で話し合いがまとまらない場合は、家事審判に移行する(家事審判法第9条第1項乙10号)としています。

 遺産分割事件では、家事審判をいきなり申し立てることができず、必ずが家事調停を受けなければならない。これを調停前置主義という。

 家事調停及び家事審判における遺産分割の方法としては、現物分割、換価分割(遺産を現金化する方法)のほか、共有とする分割、債務負担による分割、用益権の設定などの分割方法がある。

 しかし、遺産分割事件で、家事審判に移行することは少ないです。
 これは、遺産分割事件が、家事審判をいきなり申し立てることができず、調停委員による家事調停を受けなければならないという調停前置主義を設けていることからもわかるように、そもそも、裁判所が、判断することがなじまない事件だからです。判例になる事件は極めて特殊な事件とケースです。

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