| Q. 相続時精算課税制度(2,500万円を贈与税を納めないで贈与できる制度)とは? |
| A. 1相続時精算課税とは、どのような制度か (1) 相続時精算課税の目的 高齢化の進展に伴い、相続による次世代への資産移転の時期が従来よりも大幅に遅れてきていること、高齢者の保有する資産の有効活用を通じて社会経済の活性化にも資するといった社会的要請を踏まえ、生前贈与による資産移転の円滑化を目的とした。 (2) 相続時精算課税の内容 贈与時に贈与により取得した財産に対する相続時精算課税制度における贈与税(現行の暦年単位による贈与税の課税方式「暦年課税」に代えて)を支払い、相続時にその贈与により取得した財産の価額と相続又は遺贈により取得した財産の価額の合計額を課税価格として計算した相続税税額から、既に納付した相続時精算課税における贈与税に相当する金額を控除した額をもって、その納付すべき相続税額とする(相法21の9〜21の18)。 (3)適用対象者 @受贈者(特定受贈者) 贈与者の推定相続人である直系卑属のうち、贈与を受けた年の1月1日において20歳以上である者(相法21の9@) A贈与者(特定贈与者) 贈与をした年の1月1日において65歳以上である者(相法21の9@) (4)適用対象となる財産等 相続時精算課税の適用に当たっては、贈与財産の種類(贈与によって取得したものとみなされる財産を含む。)、贈与財産の価額(金額)並びに贈与回数に関する制限はない。 (5)適用手続 @相続時精算課税の適用を受けようとする受贈者は、贈与を受けた財産に係る贈与税の申告期間内に「相続時精算課税選択届出書」を贈与税の申告書に添付して、納税地の所轄税務署長に提出する(相法21の9A)。 (注)贈与者が贈与をした年の中途に死亡した場合は、当該届出書を次のイ又はロのいずれか早い日までに贈与者の死亡に係る相続税の納税地の所轄税務署長に提出する。 イ 贈与税の申告書の提出期限 ロ 贈与者の死亡に係る相続税の申告書の提出期限 A特定贈与者(当該届出に係る贈与者)からの贈与により取得する財産については、当該届出書に係る年分以降、すべて相続時精算課税の適用を受ける(相法21の9B)。 【参考法令・通達番号】相令相5@、B、C、相基通21の9−2〜−4 2 相続時精算課税における贈与税額の計算 相続時精算課税における贈与税額は、どのように計算するのか (1)課税価額 特定贈与者ごとにその年中において贈与により取得した財産の価額を合計し、それぞれの合計額をもって、贈与税の課税価格とする(相法21の10)。 (2)特別控除額 特定贈与者ごとの贈与税の課税価格からそれぞれ次に掲げる金額のうちいずれか低い金額を控除する(相法21の12@)。 (イ) 2,500万円(既にこの特別控除を適用した金額がある場合には、 その金額の合計額を控除した残額) (ロ)特定贈与者ごとの贈与税の課税価格 (3) 税率 特定贈与者ごとに計算した贈与税の課税価格(特別控除額を控除した金額)にそれぞれ20%の税率を乗じて計算した金額(相法21の13)。 3 相続時精算課税における相続税額の計算 相続時精算課税における相続税額は、どのように計算するか (1)課税価格 相続時精算課税適用者が、特定贈与者の相続に際し、相続又は遺贈により財産を取得した時は、相続時精算課税の適用を受けた財産については相続税の課税価格に加算する。当該適用者が相続又は遺贈により財産を取得しなかった時は、適用を受けた財産については相続又は遺贈により取得したものとみなす(相法21の15@、21の16@)。 (2)贈与税額の控除 相続時精算課税における贈与税相当額は、相続税額から控除するが、その際、相続税額から控除しきれない贈与税相当額については、還付を受けることができる(相法21の15B、27B、33の2)。 【参考法令・通達番号】相令5の3、相令9、相令10、相基通27−8 4 相続時精算課税における贈与税の住宅資金特別控除の特例 (1)特例の要件 平成15年1月1日から同17年12月31日までの間に、その年の1月1日において65歳未満の者からの贈与により住宅取得等資金の取得をした特定受贈者が、次に掲げる場合に該当するときは、当該特定受贈者については、相続時精算課税の適用を受けることができる(措法70の3@〜B)。 なお、当該住宅資金贈与者からの贈与により取得した財産に対する贈与税については、当該財産に係る贈与税の課税価格から住宅資金特別控除額を控除する。 @ 特定受贈者が贈与により住宅取得等資金の取得をした日の属する年の翌年3月15日までにその住宅取得等資金の全額を住宅用家屋の新築若しくは建築後使用されたことのない住宅用家屋の取得又はこれらの住宅用家屋の新築若しくは取得とともにするその敷地の用に供されている土地若しくは土地の上に存する権利(以下「土地等」という。)の取得のための対価に充ててその住宅用家屋の新築(新築に準ずる状態として、屋根(その骨組を含む。)を有し、土地に定着した建造物として認められる時以後の状態にあるもの(措規23の6@)を含む。)をした場合又は取得した場合において、同日までに新築若しくは取得 をしたこれらの住宅用家屋をその特定受贈者の居住の用に供したとき又は同日後遅滞なくその特定受贈者の居住の用に供することが確実であると見込まれるとき。 A 特定受贈者が贈与により住宅取得等資金の取得をした日の属する年の翌年3月15日までにその住宅取得等資金の全額を既存住宅用家屋の取得又はその既存住宅用家屋の取得とともにするその敷地の用に供されている土地等の取得のための対価に充ててその既存住宅用家屋の取得をした場合において、同日までにその既存住宅用家屋をその特定受贈者の居住の用に供したとき又は同日後遅滞なくその特定受贈者の居住の用に供することが確実であると見込まれるとき。 B特定受贈者が贈与により住宅取得等資金の取得をした日の属する年の翌年3月15日までにその住宅取得等資金の全額をその特定受贈者が居住の用に供している住宅用の家屋について行う増改築等又はその家屋についてその増改築等とともにするその敷地の用に供されることとなる土地等の取得の対価に充ててその既存住宅用家屋についてその増改築等(増改築等の完了に準ずる状態として、増築又は改築部分の屋根(その骨組みを含む。)を有し、既存の家屋と一体となって土地に定着した建造物として認められる時以後の状態にあるもの(措規23の6A)を含む。)をした場合において、同日までに増改築等をしたその住宅用の家屋をその特定受贈者の居住の用に供したとき又は同日後遅滞なくその特定受贈者の居住の用に供することが確実であると見込まれるとき。 (2)住宅資金特別控除額 住宅資金特別控除額とは、次に掲げる金額のうちいずれか低い金額をいう(措法70の3の2A)。 @ 1,000万円(既に住宅資金特別控除額を控除したものがある場合には、既に控除した金額の合計額を控除した残額) A 住宅資金贈与者に係る贈与税の課税価格(住宅取得等資金に係る部分に相当するものに限る。) (注)住宅取得等資金の贈与を受けた日の属する年の翌年3月15日後遅滞なく特定受贈者の居住の用に供することが確実であると見込まれることから、住宅資金特別控除の特例の適用を受けていた場合において、同年12月31日までに当該特定受贈者の居住の用に供していなかったときは、同日から2か月以内に修正申告書を提出しなければならない(措法70の3の2B、措通70の3の2-2)。 なお、その期間内に提出のあった修正申告書は、期限内申告書とみなされる(措法70の3の2D)。 【参考法令・通達番号】相令40の5、措通70の3-1〜-8、70の3の2-1 (参考文献) 税務大学校講本 相続税(贈与税) 57頁 |